「アイデアのつくり方」を読んだ

 与えられた課題を解決することにはそれなりのパフォーマンスが出せるようになってきたものの、課題を見つけることや全く新しいものを考え出すこと、いわゆる「企画」が苦手だ。そんな人間なのだが、いま、チームをまとめてアイデアを出し合い、企画を作り上げる立場になり日々四苦八苦している。 先輩に愚痴のような相談のようなをしたらアイデアを出したりまとめるための手法についての書籍を何冊か貸してくださったのだが、中でもこの「アイデアのつくり方」という本がとても良かったので読書メモとともに感想を残しておきたい。

www.amazon.co.jp

 私が読んだTBSブリタニカ版の初版は1988年となっていて、結構古い本なのか、と思いながら読み始めたら、まえがきに「一九六〇年」と書いてあって「!?」となった。だいぶ古典に近い本なのかな?と思いながら読み進めていると、ところどころコレどこかで聞いたことあるな、という話が出てくるのだが、おそらくこの本がオリジナルなのだろうと思わせる迫力(?)がある。本編は実質50ページほどという分量の少なさながら、余計な贅肉の無い内容で本質的なことのみが凝縮して書かれている感じで読み飛ばすところが無かった。 読み終わってから調べたところ、この本の原著は1940年(81年前!)なのだそうで、恥ずかしながら全く知らなかったのだが、アイデア発想法としては古典的・教典的な書籍であるらしい。なんか納得した。時代に左右されない「原理」のみを書いてあるため、80年以上経った今読んでも何の違和感も無かった。

読書メモ

  • どんな技術を習得するにしても学ぶべき大切なことは第一に 原理 、第二に 方法 (p.25)
  • イデア作成の基礎となる一般的原理 (p.28)
    • イデアとは既存の要素の新しい組み合わせ である
    • 既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性をみつけ出す才能に依存する
  • 事実と事実の間の関連性を探ろうとする心の習性がアイデア作成には最も大切 (p.31)
    • 練磨可能
    • この習性を修練する最も良い方法の一つは社会科学の勉強をやること
  • この心の技術は五つの段階を経過してはたらく (p.33)
    • 五つの段階の関連性を認め、一定の順序で通りぬける
    • 前の段階が完了するまでは次の段階に入ってはならない

イデアのつくられる全過程ないし方法

  • 第一の段階 資料を収集すること
    • 特殊資料 (p.34)
      • 製品と、それを売りたいと想定する人々(ターゲット顧客 ということだと思う)についての資料
      • 当面の課題のための資料
    • 一般資料 (p.37)
  • 第二の段階 資料を咀嚼すること (p.43)
    • 関係 を探す (p.44)
    • 事実というものは、あまりまともに直視したり、字義通り解釈しないほうが一層早くその意味を啓示することがままある
    • この段階を通りぬける時に起こる二つのこと
      • ちょっとした、仮の、あるいは部分的なアイデアが訪れる
        • とにかく書き留めておく
      • だんだんこのパズルを組み合わせるのに疲れて嫌気が差してくる
  • 第三の段階 孵化段階 (p.55)
    • 問題を全く放棄し、完全にこの問題を心の外にほうり出してしまうこと (p.47)
    • 問題を無意識の心に移し、眠っている間にそれが勝手にはたらくことにまかせておく
    • (感想) 一旦寝かせる、ということだと思うんだけど、アイデア出してまとめるのに期限があるときに一回忘れるのなんか怖くない?忘れるにもコツがあるのかな?
  • 第四の段階 あるとき突然アイデアが到来する (p.49)
  • 第五の段階 アイデアを現実の世界の中に連れ出すこと (p.52)
    • 現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具現化し、展開させる段階 (p.55)